りつの備忘録

推しをながーく愛でる用。

「不器用」こそ私の軸だ~Netflix Series:LIGHT HOUSE~

とんでもなくお久しぶりになってしまいました。

私としたことが、再就職した途端、また"感欲"を蔑ろにした日々を送り、案の定また床に伏せっております。

"感じられない日々"はやっぱり恐ろしい。

ということで、本日からまた再開です。

 

本日は、Netflix Series:LIGHT HOUSEについて。

中学生の頃から重度の星野源クラスタ兼リトルトゥースである私には、これ以上ない最高コンテンツでした。

いつものごとく長々と語らせていただきます。

 

「評価」のない線引き

第1話で出てくるピース綾部さんのエピソード。早速目からうろこでした。

年に1回、スーパーボウルのロケで会う若林さんに伝えているというこの言葉。

 

「お前そっちだもんな」

 

言葉だけ見ると、決めつけに感じられるこの言葉に、若林さんは「安心する」と話します。

それは、逆転ではなく対等だから、そこに「評価」がないからだと思います。

 

第2話では、SNSが普及した現代の若者の本音・夢について語られます。

どこに動いても人の目がある環境の中で、否応なしにソーシャルの中に置かれること。

ソーシャルは古くから、「異端」が死ぬようにできていて、周りの「評価」を無視しては生きられないこと。

現代では、「異端」の定義に幅がなくなり、表現として最適解か誤答かの2択になってしまっていること。

だからこそ、本音・夢を大っぴらに語れないこと。

 

「評価」という答え合わせがある中では、本音も夢も話せないどころか見つからない。

最適解としては「分かる」ことだけど、心から納得はしていない。

だから、「分かることが分からない」のだと思うのです。

 

「無」にだけある価値

第1話で源さんが語る悩み。

 

「必要とされていないと感じても楽しく生きられる人になりたい」

 

………ありえん分かる!!!

 

仕事ができない、会社で評価されていない、友達が少ない、恋人がいない私には価値はない。

人一倍働かないと、評価されないと、友達と会わないと、恋をしないと、レールから外れて死んでしまう。

社会に出てからなぜかずっと急きたてられていたのは、こんな想いのせいだと気づきました。

 

だけど、それって誰が決めたんだろう。

誰かに言われたことはあっただろうか。

自分が勝手に作り上げて、勝手に課した足かせではなかろうか。

 

「本当はもっと世の中のいろんなことがどうでもいいはずで。

楽しく好きに生きていいはずなんですよ。」

 

社会がなんとなく決めた価値基準も通念も、それに縛られた評価も思考も、「どうでもいい」はず。

なければないだけ、考えなければ考えないだけ、楽しく生きていけるはず。

 

無意識に取り入れてはいないだろうか。

自分の中で「絶対」にしてしまっていないだろうか。

「評価」という名の答え合わせに、飼い慣らされていないだろうか。

 

度々足を止めて振り返り、切り捨てていくことが必要かもしれません。

 

「自分軸」ってなんだろう

とはいえ、何かしらのシンボルはしっかり持っていたいもの。

世間ではよく「自分軸」なんて称されますが、本当に見つからないんだこれが…。

 

ここ数年ずーっとこれに悩まされ、見つけられない自分を恥じ、社会に急きたてられるうちに、気づいたら息ができないところまで来ていました。

 

だけど、周りには全力で「若さ」を楽しんでいる友人や同期がいて、親や上司からは「20代なんて可能性しかないじゃない」と羨まれ、周囲が抱くイメージと自分の苦しみとの間に大きな差を感じ続けています。

 

そんな中、第1話エンディング『灯台』のこの歌詞に触れました。

 

「君は若くていいねなんて 知らねぇよカスが

もし僕が明日死んだら これが一生なんだ」

 

はい、大号泣。

 

第5話で若林さんが話す20代のお話、共感しかありませんでした。

一生懸命漕いでいるのに、どこに着くかが分からない。

そもそもちゃんと着けるのかどうかも分からない。

可能性が多面的過ぎるが故に、ゴールも現在地も見えないことが苦しいのです。

 

じゃあ、そのゴールはいつどうやって決まるんだろう。

自分で決められるんだろうか、自然に決まるんだろうか、そのために今しなくてはいけないことはなんだろうか。

 

半ばパニックになっていたところに、第6話の源さんのこの言葉。

 

「手近なところに目標がない」

 

………ありえん分かる!!!(2回目)

 

社会人になってからずっと抱えていたもやもやはきっとこれでした。

学年もなければ、各年度で達成しなければいけない明確な目標もないし、ロールモデルにしたい方もいない。(失礼)

だから、ゴールも現在地もずっと見えなかったんだ。

すっきりした、ありがとう源さん…!!!

 

そんな源さんは、「なったことのない自分になること」を目標にされています。

 

「なったことのない自分」がどんな自分かは、今はきっと分からない。

具体的には何も解決していない。

とりあえず今は、漕ぎ続けるしかない。

 

だけど。

漕ぎ続けていれば。沈みさえしなければ。

そこに風が吹く。潮が流れる。気づいたら辿り着いている。

 

全6話を通じてのお二人の姿がまさしくこの通りだったと思います。

業種は違えど、ご縁で引き合わされたお二人。

どちらかが答えやヒントを持っていて、持ちつ持たれつ進んできた8か月。

どちらが先導するかは意思では決まらず、そこに委ねて受け入れたことで見つかったものがあったはずです。

 

 

そりゃあ、風と潮の流れを正確に読んで、無駄に漕がずに過ごせたら、楽だろうなと思いますよ…。(小声)

正直羨ましい。死ぬほど。ありえないくらい。

 

だけど、「らしい」とは思えないのが事実。

無駄に漕いで、苦しんで、だからこそ出会える・見つかるものがいつも以上に愛おしい。

思い返せば、ずっとその繰り返しだった気がしています。

そして、そんな人生も「悪くはないな」と思うのです。

 

だから、「不器用」こそが私の軸。

悔しいけど、お二人と一緒ならそれもいいかな。

 

さあ明日からも。仕方なく踊ろう。